2014年12月アーカイブ

もう一つのセンターでの実習

 講習会が始まって1ヶ月ほどした5月から、毎月2日間、栃木県那須塩原市にある地方競馬教養センター(NAR)で装蹄実習をさせていただき、12月18日を最後に、ここでの実習を無事に終えることができました。


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【上:NAR装蹄所】

最初の頃のNAR実習は、入講してから数回しか装蹄実習を経験していない時期だったので、履いている蹄鉄を外す除鉄、削蹄、そして先生が蹄に合わせて修整した蹄鉄を装着する釘付けだけでした。釘付けでは、最初の二本の釘を先生がたに打っていただいて、蹄鉄を蹄負面に固定した後に、私たちが残りの釘を打つというものでした。

保定がおぼつかないため、すぐに馬に肢を下ろされてしまったり、道具の扱いが上手くいかなくて作業が進まなかったりで、1頭の装蹄に3時間もかかることもありました。2日間のNAR実習では、毎回、装蹄作業の工程の中でうまくいかない所を確認しては、悔しい気持ちで教育センターに戻って練習に励むという状態でした。

【実習を指導して下さる柴田先生】

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 除鉄、削蹄、釘付けが、少しずつスムーズにできるようになった夏を過ぎるころに、馬の蹄に蹄鉄を合わせる修整・適合もやらせていただけるようになりました。しかし、この修整が本当に難しく、蹄鉄の形を何回直しても蹄の形状に合わず、1時間以上悪戦苦闘を繰り返したあげくに、釘孔(蹄鉄の釘を打つ穴)が潰れて、釘付けできない蹄鉄になってしまうということも多々経験しました。このころの実習で、装蹄作業の全ての工程をやっとやらせてもらえるようになりましたが、スムーズに作業が終了できたことは殆どありませんでした。

 そして、講習期間も残り半分を切る頃になると、焦りを隠せなくなっていきました。

11月に入り、NAR実習が残り2回となった時、2級認定試験を想定し、同側の前肢と後肢の2蹄の装蹄を75分で行うように言われました。最初に75分と聞いたときは、余裕のある時間設定だと思っていましたが、いざ始まってみると作業のそれぞれの工程が予定通りの時間配分で終了できず、まだまだ自分の技術が未熟だということを思い知らされました。

しかし、まだ時間はあります。ここでわかった反省点を16名の講習生の間でもお互いに共有することで活かし、残りの日々を切磋琢磨することにより、2月の認定試験では16名全員が合格できるように技術を上げていきたいと思います。

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【削蹄を直してくださる井堀先生】

約半年間にわたるNAR実習では、細かなポイントまで実技指導をしていただいた教養センターの装蹄職員である井堀先生と柴田先生をはじめとして、NAR職員の皆様や寮監さん寮母さんに、大変にお世話になりました。

この場を借りて、お礼の言葉を述べたいと思います。

ここで実習をさせていただけたおかげで、私達もどうにか試験に臨めるレベルまで来ることができました。この場を借りて御礼を言いたいと思います。最後になりましたが、那須におけるNAR教養センター開所50周年おめでとうございます。

神奈川県出身H・K(24)がお送りしました。

12月に入りいよいよ寒さが身に凍みる季節となってきました。そして、私たちの1年間の講習も終盤にさしかかろうとしています。

今回は、私達が最新のウマ科学の研究成果を聴講したことと、2月の認定試験に向けてJRA馬事公苑で集中実習をさせていただいたことについて報告します。

東大で学ぶ

12月1日、JRA主催の「競走馬に関する調査研究発表会」が開催され、私達講習生16名も赤門で有名な東京大学の農学部弥生講堂で、最先端のウマの科学についての研究成果を聴講しました。

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講習中に特別講義でお世話になった先生がたの発表も聴講でき、装蹄教育センターでは、最先端の情報をわかりやすくかみ砕いて教えていただいていたのだと改めて感動しました。口演は、装蹄や蹄に直接関連する内容以外にも、運動や馬場など装蹄に深く関連する分野の発表もありましたが、まだ認定装蹄師の途上にある私達には難しい内容でした。しかし、解らないなりに刺激の多い一日でもありました。

このJRA研究発表会と同日の12月1日と翌2日は、日本ウマ科学会学術集会も東京大学で開催されました。興味深い内容の発表もたくさんありましたが、初日はJRA研究発表会と時間が重なっていたので、どちらを聴講するか悩みました。

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蹄病専門医(Podiatrist)に学ぶ

ケンタッキー州にあるルード・アンド・リドル馬診療所にある蹄病センターからスコット・モリソン先生が来日し、講演と実演が行われ、私達も参加させていただきました。モリソン先生は、元々装蹄師として仕事をされていましたが、蹄病の治療など装蹄処置を行うには獣医の治療技術が必要と考えて獣医師の資格を取得した方で、Podiatrist(蹄病専門医)という分野で世界的に有名な先生です。

今回は、12月2日には、ウマ科学会学術集会の「症例検討会」と「招待講演」で、最先端の蹄葉炎やアンダーランヒールの処置法について講演していただきました。さらに、翌3日には、馬事公苑で「蹄の検査法」と「負重性蹄葉炎」の講演と実馬2頭を用いて、蹄葉炎などの装蹄療法の実演をおこないました。2日間でしたが、世界最先端の装蹄療法の理論や技術を直接見ることができたのは、とても貴重な経験でした。装蹄師として、常に進化していく知識や技術を身につけるために、常に勉強が必要だと改めて強く感じました。

このJRA研究発表会と同日の12月1日と翌2日は、日本ウマ科学会学術集会も東京大学で開催されました。興味深い内容の発表もたくさんありましたが、初日はJRA研究発表会と時間が重なっていたので、どちらを聴講するか悩みました。

このJRA研究発表会と同日の12月1日と翌2日は、日本ウマ科学会学術集会も東京大学で開催されました。興味深い内容の発表もたくさんありましたが、初日はJRA研究発表会と時間が重なっていたので、どちらを聴講するか悩みました。

馬事公苑での集中実習

スコット・モリソン先生の実演の翌日から馬事公苑に約1週泊まり込んで、装蹄の集中実習をさせていただきました。

馬事公苑の繋養馬は、競走馬時代に優秀な成績を残したサラブレッド、競技用乗馬、馬車を曳く馬、ポニーなど、品種も体格も様々です。そのため、蹄の形や大きさも随分違うので、蹄鉄の形状を合わせるのに苦労しましたが、とてもいい勉強になりました。繋養馬の中には生後1年も経たないカワイイ子馬もいましたが、どの馬も、長時間にわたる私達の装削蹄にも、大人しく耐えてくれました。そのお陰で、蹄を削切する量や蹄鉄の合わせ方なども分かるようになり、1日ごとに少しずつ作業が早くなってきました。また、2月の2級認定試験では、前後肢計2本の装蹄を75分以内に仕上げなくてはならないため、馬事公苑では、毎日時間を計りながら、一連の装蹄作業の時間配分を考えながら実習を進めました。普段は、短期間にこれほど多くの馬の装蹄実習を経験することはできないので、この数日間はとても貴重な時間でした。

造鉄の練習では、馬事公苑の先生からは、普段とは違う手順やコツを学ぶことができました。そして、飾り蹄鉄の作り方も教えていただいたので、早速トライしたのですが、馬を作ったつもりですが、別の動物のような形になってしまいました。

飾り蹄鉄.jpgのサムネイル画像






























新しい事に挑戦してみると、いつも以上に学ぶことも多く、とても楽しい馬事公苑実習になりました。1月と2月にも馬事公苑での集中実習を行わせていただきます。センターや馬事公苑の先生方の指導のもと、2級認定装蹄師の試験に合格するように技術の向上を目指します。

今回はN.T(19)とN.H(31)がお送りしました。