2015年3月アーカイブ

最後の実習

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3 月3日は、20期講習生として教育センターで行う最後の実習日でした。この1年間の講習の最後を締めくくるのに相応しく、装蹄師の仕事に欠かすことができ ない「火鉗(ひばし)」の作製にトライしました。大まかな手順は、鉄桿(てっかん)の先端部分をセットアップして幅を出し、火鉗の挟む部分を作ります。そ の後、鉄桿の反対側が握りの部分になるように、手頃なサイズまで伸ばしていきます。先生は、見本として使いやすそうな火鉗を、いとも簡単に作製しいきます が、私はイメージ通り作ることができません。悪戦苦闘しながら作製した火鉗は不格好なものでしたが、3分7鉄桿(※)をしっかり掴むことができるので、火 鉗の機能は十分もっており、ここでの最後の実習のいい記念となりました。

※ 3分7鉄桿(さぶしちてっかん)とは、9 x 22 mm の鉄材のことです。

20期講習生16名の最後の勝負
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3月4日に行われた「修了報告会」では、私達20期 生がここで1年間学んだ技術を、関係者の皆様に見て頂くため、1種目目として40分間で前後肢蹄用各1個のジャーニーマン蹄鉄の造鉄を行い、2種目として イーグルアイと呼ばれる競技で、見本蹄を30秒間見て(側尺も可能)、45分間でそれに合わせた連尾蹄鉄1個の造鉄を行いました。報告会と名前がついてい ますが、実は16名の勝負がかかっている「競技会」なので、他の講習生には負けたくない気持ちや、うまく鍛着できるだろうかという不安で、始まる前から緊 張感が漂っていました。競技が始まると、何も考えないで、目の前にある蹄鉄に全てを集中させて持てる力全てを出し切りました。中には、焦って動揺したた め、うまく造鉄できない講習生もいました。報告会で作製した作品と入講初期の造鉄作品を見比べると、1年間学んだ成果が目に見えるとともに、一つのことを やり遂げたという実感がわいてきました。



旅立ちの日

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 修了報告会の翌日、教育センターの先生方や大勢の関 係者のご臨席をいただき、私達20期生の修了式が行われました。慣れないスーツに身を包んだ私達16名一人ひとりに、日本装削蹄協会の佐藤会長から修了証 が授与されました。この1年間を振り返ると、きつく怒られ辛いこともありましたが、「これが最後だな」と思うと...(涙)、とても楽しく充実した毎日だった ことが分かりました。

 修了式後は、教育センターでパーティーが開催され、 お世話になった先生方や先輩、関係者の皆様から励ましの言葉をいただき、これに応え、私達も一人ひとり、就業先の親方と共に今後の抱負を語りました。そし て、このパーティーでは、認定試験の成績トップと昨日の修了報告会の結果が発表されました。

 認定試験では、学科トップはA.Sさん、実技トップはY.S君で、修了報告会のトップはY.O君という結果で、それぞれ記念品を贈呈されました。

 1年間、共に支え合いながら生活してきました。これからも同期生として何か悩んだときには助け合い、また逢える日を楽しみにして、ここを旅立ちます。

20期生みんなにおめでとう!そして、ありがとう!

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最後になりますが、全く何もできなかった20期生 16名全員を、装蹄師としてのスタートラインまで導いていただいた先生や関係者の皆様に心から感謝いたします。また、八汐寮で、美味しい食事や日常の管理 をしていただいた寮監さんと寮母さん、ありがとうございました。これからは、プロの装蹄師として自覚を持ち一生懸命フットケアに努め、私達の同期生の中か ら全国装蹄競技大会優勝者が出るようにがんばります。
神奈川県出身のT.Y(29歳)と北海道出身のM.Y(19歳)がお送りしました。

認定試験(後期)を受験

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 長いようで短かった1年間の講習会も大詰めとなり、 最後の難関となる後期の認定試験を迎えました。後期の筆記試験は6科目ですが、9月に受験した5科目の前期試験と合わせて評価されることになります。実技 試験は一発勝負で、前肢・後肢2蹄の装蹄と前後肢用蹄鉄2個を造鉄します。

 試験の前日は、殆どの講習生が学科試験の追い込みをしていたので、寮内の個室の電気は深夜まで消えることはありませんでした。また、私の実技試験の対策ですが、最後の馬事公苑実習から戻ってから、造鉄や装蹄の器具の調整を時間のある限りしました。

 実際の試験の結果ですが、噂では学科試験でギリギリ合格の講習生もいたようですが、学科・実技ともに無事に全員が合格できました。ほっとしています。

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修了前の実習

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 試験が終わって、気持ちを緩めたいところですが、修 了式前日に関係者の皆様に見て頂く「修了報告会」に向けた練習が残っています。報告会では競技形式で、前肢用・後肢用各1個のジャーニーマン蹄鉄と蹄を 30秒だけ見てそれに合うように連尾蹄鉄を造るイーグルアイ競技の2種目を行います。練習では、ジャーニーマン蹄鉄は、私達が通常作製している蹄鉄と微妙 に形状が違うので、バランスを調整し、きれいに仕上げるのが難しいと感じました。また、イーグルアイは、本物の蹄の形状に合わせるのも難しいのですが、さ らに連尾部分の長さや鍛着の状況で、最初の鉄桿の長さを変えなければならないので、悪戦苦闘の連続でした。

 修了間際の最後の削蹄実習では、削蹄のスピードも上がり、先生から仕上げを修正されることもほとんどありませんでした。入講当初は、馬の肢をはさんでいるのがやっとだったのに、先生方の厳しくも優しい指導のおかげで上達することができ、感謝しています。






アメリカの装蹄競技大会を初体験

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 20期生の中の私を含めた3名が、約10日間の米国 研修に参加させていただき、アメリカ装蹄師会(AFA)のコンベンションとそこで開催された競技会を直に見学することができました。AFAの競技では、 ジャーニーマン蹄鉄、連尾蹄鉄などの様々な特殊蹄鉄、向鎚手と2人ペアで行うドラフトホース用蹄鉄などを造鉄する種目に分かれていました。いずれの競技で も、見学者は※セーフティーグラスをかけていれば、選手の目の前で造鉄や装蹄を見学することができました。選手の方々が情熱をもって日々練習し、楽しんで 競技に参加している雰囲気が伝わり、「装蹄や造鉄は面白い!」と以前にも増して思うようになりました。

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 競技場ではアメリカの装蹄師をはじめ、アメリカ以外 からも多くの方が見学にこられていました。そして、多くの方々が私に声をかけてくれたことは、とても刺激になり嬉しいことでした。これも、日本装削蹄協会 の先生方や競技に出場してきた多くの選手の皆様が、長年かけて良い関係を築いてきてくださったからです。このような環境を整えてくださったことにとても感 謝しています。

クリスグレゴリーのお宅の前で.jpg  今回は、昨年の全国大会に来日して模範演技と指導をしてくださったクリス装蹄師のお宅に宿泊させていただき、彼の装蹄学校で米国装蹄競技大会に出場する4 名の日本人装蹄師とともに、私達3名の講習生にも造鉄練習をする場を提供していただきました。また、クリス装蹄師のみならず、彼の息子で各種競技大会にお いて優秀な成績を収めているコーディー装蹄師から、本場のジャーニーマン蹄鉄の造鉄を習ったり、コーディー装蹄師がAFA競技のための造鉄や装蹄の練習を するところを見学できたことは、素晴らしい体験でした。そして、クリス装蹄師のお宅に滞在中は、彼のご家族が、私達が楽しい時間を過ごせるように気を配っ てくださいました。特に初めてアメリカに行った私にとっては新鮮な体験の連続でした。クリス、彼の妻であるケリーとの出会いは、私にとって人生の転機にな りました。

今回、AFA競技に参加するために日本から渡米され た選手の方々も、時間を割いて競技や造鉄について教えてくださり、ありがとうございました。普段のお仕事についてのお話を聞くこともでき、とても勉強にな りました。私も選手の方々のような装蹄師になれるよう頑張っていきたいと思っています。 造鉄競技の見学、多くの人との出会いなど、米国研修はとても実りの多いものでした。米国研修に参加する機会を与えてくださったことにとても感謝しています。

※セーフティーグラス 鉄の酸化膜などから目を守るためのメガネ

埼玉県出身 I.M(19)と千葉県出身 A.S(24)がお送りしました !!