2015年7月アーカイブ

 毎年、梅雨入り直前の6月上旬に、JRA競走馬総合研究所(以下、総研)では、近隣の方々に総研の業務を知って頂くとともに、馬を身近に感じていただく目的で、「馬に親しむ日」を開催しています。33回目となる今年は、6月7日(日)に行われ、普段から総研にお世話になっている我々講習生も、お手伝いで参加したので、その活動について紹介したいと思います。

親しむ日パンフ.jpg「馬に親しむ日」では、子供から大人まで幅広い年代層の方々に楽しんでいただける馬に関わるイベントが目白押しです。体験乗馬や馬車試乗をはじめ、ポニーやアンダルシアンのホースショー、小笠原流流鏑馬、ターフィー君のショウー、そして装蹄に関わるイベントでは馬の靴屋さんコーナーとしての造鉄実演や実際に使用した競走馬の兼用蹄鉄を用いたコースターづくりもあります。

私達講習生は、当日のこれらイベントの補助や写真を撮る「記録」のほか、前日には流鏑馬のコースや的づくりなどの準備のお手伝いもしました。コースに杭を打つ作業では、普段の実技で培った向鎚(大鎚)を振るスキルを活かし、流鏑馬の的の設置では、筋トレの成果を発揮するなど、様々な場面で活躍することが出来ました。

向鎚作業.jpg

当日は、天気にも恵まれ多くのお客様に来場して大盛況となりました。私は、体験乗馬のお手伝いを担当しました。総研のスタッフの方が、乗馬を希望する方に、事前に整理券を配付していましたが、午前・午後の部ともに即座に整理券を配り終えるという人気ぶりでした。

体験乗馬は、総研に繋養されている乗馬にお客様を乗せて、スタッフが引き馬で馬場を一周乗るもので、私達講習生は乗馬の脇について、お客様(特に子供)を補助します。初めて馬に乗られる方も多いので、挨拶をしたり簡単なトークをして、少しでもリラックスした雰囲気で乗馬を楽しんでいただけるように努力しましたが、短い時間なので、お客さんとコミュニケーションをとることは難しいと感じました。 そこで、体験乗馬のお客様の気持ちを実感するため、午後の部の開始前に自ら体験乗馬をして、トークの内容や補助の仕方を研究しました。その結果はわかりませんが、今回が初めての乗馬という方にも「また乗りたい」と言っていただけました。今回の経験で、初めて会った方への挨拶や会話の重要性を改めて認識することが出来ました。

アンダルシア.jpg体験乗馬補助.jpg

今回の馬に親しむ日では、多くのお客様と接する機会を持つことができましたし、JRAの方々を始め、多くの関係者の方々と交流しながら、大きなイベントを開催するということも学べて、とても充実した時間を過ごすことができました。我々講習生は今後も多くの方々とお会いすることになりますので、その時は、最初の挨拶を大切に活動していきたいと思います。宇都宮は、この翌日の6月8日から梅雨入りとなりました。うっとおしい季節ではありますが、本業である講習に励みたいと思います。

今回はT.K(24)がお送りしました。

東京大学付属牧場で削蹄実習

今回のブログでは、茨城県笠間市にある「東京大学大学院農学生命科学研究科 高等動物教育研究センター・附属牧場」(以下、東大牧場)での
削蹄実習の様子を紹介します。

種馬.jpg

ここ東大牧場は、東京大学の研究や学生の研修用のため、馬意外にも牛、豚、山羊などの家畜が飼育されており、馬は、サラブレットや中半血もいますが、大半が"クリオージョ"と呼ばれる品種です。クリオージョ?とは聞きなれない品種だと思いますが、南米のガウチョと呼ばれるカウボーイが主に使用している品種のポニーで、日本国内では、主にここ東大牧場が生産の中心となっているそうです。

いざ、削蹄のために現場に向かうと、柵でいくつかに区画された広大な放牧地に、11頭のクリオージョが放牧されていました。近づいて蹄を見ると、削蹄期間が長く、主に放牧されているので想像以上に蹄が伸びているので、やりがいがある削蹄実習になりそうだと思いました。

実際の削蹄作業では、まず始めに裏堀で蹄下面に詰まった土を落とすのですが、放牧地の土が圧縮された状態で固く詰まっているので、蹄負面との境がわからない状態でした(*_*)。ようやく蹄下面の状態が確認できるようになり、いざ、蹄を削切するために馬の肢を保定しようとすると、なかなか肢を上げなかったり、上げても低い位置での保定となるため削蹄しづらく、すぐに暴れて保定がはずれたり、本当にやりがいのある削蹄でした。私がペアを組んだUくんは、滝のような汗を流し「やべぇ...」と一言漏らした後、喋らなくなってしまったのを鮮明に覚えています。(笑)

東大削蹄.jpg































私達にとっては、言葉も出ないくらいハードな削蹄実習となりましたが、先生が保定をすると、まるで"借りてきた猫"のようにおとなしく削蹄作業をさせていました。教育センターでの装削蹄実習では、少しずつできるようになってきたと思っていたのですが、まだまだ、未熟な技術を再認識しました。

 ここ東大牧場には、1989年に最優秀3歳馬を獲得した芦毛のウィナーズサークルも繋養されています。残念ながら私とUくんは、この元G1ホースの削蹄はできませんでしたが、この馬も私達講習生に削蹄させていただきました。

ウィナーズサークル.jpg

















東大牧場の削蹄実習では、品種や飼育環境の違いで、蹄の大きさや硬さ、削蹄する度合い保定の位置など、色々な違いがあることが判りました。また、馬が楽になるように人が合わせるとおとなしく、人の添う位置が悪ければ馬が動いて教えてくれるものだということも体験できました。初めてのことばかりの実習でしたが、改めて基本技術と「馬に学ぶ」という気持ちの大切さが身に凍みるいい経験をさせていただきました。

 東大牧場実習は、講習生を6人ずつ2班に分けて、2カ月に1回行うので、私達の班が次にここで削蹄するのは4ヶ月後となります。次回、この馬達や東大牧場の職員の方にお会いする時には、一皮も二皮も剥けて、成長した僕達の姿を見ていただけるように頑張って行こうと思います!!

埼玉県出身S.K(18)がお送りしました。( ´ ▽ ` )

今回は5月から、毎月1回行っているNARでの外部実習について紹介します。

NAR馬繋場.jpg











NAR.jpg

















NARって何?と思う方のために、簡単な説明をさせてもらいます。"NAR"はThe National Association of Racingの略で、日本語では「地方競馬全国協会」となります。NARは「地方競馬の公正かつ円滑な実施の推進を図るとともに畜産の振興に資すること」を目的とした特殊法人で、私達が日常の講習を受ける宇都宮の装蹄教育センターから北に約50㎞の那須塩原市に、NARの施設である地方競馬教養センターがあります。ここは、NARの業務の一つである地方競馬で働く調教師や騎手等の関係者の教育のための施設で、私達も、NAR教養センターのご厚意で、1ヶ月に1回、ここで1泊2日の装蹄実習をさせていただいています。NAR装蹄.jpg





























NAR実習と装蹄教育センターでの実習の大きな違いは、「装蹄」できる量です。教育センターの装蹄実習では、1頭の馬を講習生4名で装蹄するため、1回の装蹄実習で1人当たり1本しか装蹄作業ができません。しかしここでは、2人で1頭の馬を装蹄するため、1人で前後肢2本の蹄を作業することができます。これは嬉しいことですが、保定や装蹄道具の扱いも未熟な私たちにとって、連続して2本の肢を装蹄するというのは、なかなかハードなことです。装蹄作業の工程の中で、まだ剥鉄・削蹄・釘打ち・釘締めだけしか行っていませんが、2本の肢の装蹄を終える頃にはみんな汗だくになっています。毎回のNAR実習の度に、自分の未熟さを実感して、次回ここで装蹄実習をするときには、少しでも成長できているようにしたいと思いながら、NAR実習を終えて教育センターに戻っています。

このような未熟な私たち講習生に、貴重な馬を提供し、ご指導して頂いている地方競馬教養センターの関係者の皆様に深く感謝いたします。

今回はM.T(広島県出身・23)の更新でした。