2016年5月アーカイブ

以前のブログで、4月の後半に行った「プチ競技会」について報告しましたが、あれから約1か月が経った5月末日に第2回目のプチ競技会が開催されました!第1回目の種目は、古い蹄鉄を角棒にする「鉄桿鍛錬」とその角棒を材料とした「裏堀作り」でした。5月に入ってから、私たちの実習は、鉄桿鍛錬から蹄鉄をつくる「造鉄」という段階にステップアップしたので、これに合わせて競技内容も「造鉄」ということになりました。(このBLOGでも「初めての造鉄」についてご紹介できれば良かったのですが・・・残念です。)

ここで、基本的な蹄鉄について少し説明します。皆さんは、蹄鉄と聞くとU字型の形状をイメージすると思いますが、実は前肢用と後肢用で微妙に形が違います!前肢用は全体的に丸い円形をしており、後肢は先端が少しとがったような楕円形をしています。その理由は、前肢は体重負担の割合が大きく、特に、運動中に進行方向を変える際、軸となって体を支えるのに適した円形をしているそうです。また、後肢はエンジン!で、その推進力を逃さないように、蹄の先端が地面に食い込みやすいように、先端がとがった楕円形になっているのとのことです。

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さて、第2回目のプチ競技会では、60分間で前肢用蹄鉄1個を完成させるというものです。60分というとかなり長く感じるでしょうが、2人で1基の火炉と鉄床を使って交互に作業するし、私たちのレベルでは、何度も鉄桿を加熱するので、やっとのことで製品を完成させました。

審査は、全国大会などの競技会で使われる採点表を用いて、細かな項目に分けて点数がつけられました。今回のチャンピョンは、YKくんでした!彼は、自分にはセンスがないと、日頃から悩み、この1か月真剣に実習に取り組んでいたので、今回はその成果が出たようです。賞品は、竹田先生オリジナルのシルバーアクセサリーで、今回の課題蹄鉄を同じ形のものです。こんなに小さいんです!穴の一つ一つまで、ミニチュアの道具で作られています。賞品のシルバーアクセサリー.jpg



















修了試験では、45分で前後肢各1個の蹄鉄を造鉄しなくてはいけないので、1日1日・1本1本を大事に造鉄しなくてはいけないなと思いました。

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5月23日、24日の2日間、茨城県笠間市にある東京大学付属牧場で、繋養されているクリオージュという小型の馬の削蹄実習をしてきました。広い放牧地に集団で放たれているので、のびのびと草を食んでいたり、数頭が連れ立って歩いていたりと、とても和やかな情景の中で飼育されいました。しかし、削蹄は、"はんぱない"状況となりました。放牧が中心で、人が騎乗したり挙肢したりという経験が殆どなく、さらに跣蹄(蹄鉄を装着していない蹄)であるため、私たちにとっては「野生馬」の削蹄をしているようなものでした。講習記録_7837_0.jpg

















削蹄実習は、放牧地の中で行いました。牧場職員の方に馬の前で頭絡を持っていただきましたが、これまでの実習馬と違って、小ぶりなうえ、挙肢することに慣れてないので、保定の位置が少しでも高くなると、馬がバランスを取れずに肢を抜いたり、立ち上がったりして、削蹄工具を使う前段階で苦戦しました。また、跣蹄で削蹄間隔が長い状態だったので、過長や弱踵蹄、さらに裂蹄や蹄壁欠損など蹄のコンディションは厳しいものがありました。苦戦しながらも、適切な位置で保定ができると馬も静かにしてくれるので、保定の重要性を痛感しました。また、今回の実習では、鎌だけでなく削蹄剪鉗もたくさん使うことができたので、とても有意義でした。

講習記録_5551_0.jpg



























道具もうまく扱えず、鎌も切れ味が悪いなど、まだまだ1つ1つが不完全ですが、次回の東大牧場の削蹄実習では、成長した姿を見ていただけるよう頑張りたいと思います。

牧場職員の皆様、暑い中ありがとうございました。また次回も、よろしくお願いいたします。

5月に入り、私たちが生活している宇都宮もさわやかな季節となりました。装蹄教育センターでの実習や学科講義も順調で、少しずつ馬の扱いにも慣れ、装削蹄や造鉄の手順も少しずつ覚えてきたところで、地方競馬(NAR)教養センターで装蹄の外部実習が始まりました。このBLOGでもたびたび登場するNAR教養センターは、宇都宮から北に約50㎞離れた那須塩原にある地方競馬の騎手の養成などの施設で、現在、約80頭の馬が繋養されています。

 私たち22期生も2班に分かれて、5月から来年1月まで、各班、毎月1回装蹄実習でお世話になります。今回は、1泊2日で行うNAR実習のスケジュールについて簡単に紹介したいと思います。

NAR装蹄所

第1日目

8時30分:出発

10時30分:NAR教養センター到着後、宿泊施設である那須寮で着替えて、装蹄工場で準備と造鉄練習。

12時:昼食

13時:装蹄実習一人前後肢各1蹄。

17時:お風呂(天然温泉でとても気持ち良いです!!)・夕食・自由時間







第2日目

9時:造鉄(特に鉄唇あげ)練習

12時: 昼 食

13時: 装蹄実習(2人で1頭)

15時:実習終了。NAR教養センター出発。

16時30分: 宇都宮駅到着後解散。

釘締め.jpg

















今回は、NARでの初めての実習でしたが、基本はセンターでの装蹄と同じです。馬の扱いや保定が不安定だったり、鎌型蹄刀がうまく研げていなかったりと、各自の問題は依然と残っています。これらの課題を、次回のNAR実習までには少しは改善できるように頑張りたいとおもいます!

5月13日、日本装削蹄協会の佐藤 浩二会長に特別講義をしていただきました。佐藤会長は、獣医師としてJRAで勤務されており、現在は、日本装削蹄協会とジャパン・スタットブック・インターナショナルの会長を兼任されています。長いキャリアの中で、特に、海外の競馬サークルと関わる仕事が多かったので、今回は、「海外の競馬事情からみた日本の競馬」という内容で教えていただきました。

講義を聞く.JPG

















まず、我が国の近代競馬の歴史について、その始まりから現在に至るまでの様々な出来事を詳しく説明していただきました。現在では、日本馬が海外のレースに出走し、上位入線することもしばしばありますが、昔は、海外遠征することが難しく、たとえ海外のレースに出走していい結果は残せなかったとのことです。このような日本の近代競馬の歴史を知ると、競馬開催国の格付けをする国際セリ名簿基準委員会から、日本が競馬先進国を意味する「パートI国」に入ることを認められたことは、多くの関係者の努力が実り、本当に凄い成長をしたと感じました。そして、私達22期生も装蹄教育センターを修了した後は、このグローバル化している馬の世界に入ることになるということも実感できました。

ここでのこの一年間、装蹄師としても世界を意識した仕事ができるように、気持ちも新たに頑張りたいと思います。

長いゴールデンウィークの休みも終わると、すぐに競走馬総合研究所での削蹄実習がありました。

初めて使う鎌.jpg


















前回の総研での削蹄実習では、ヤスリで蹄を削る鑢削(ろさく)をメインに教えていただき、今回は、いよいよ鎌形蹄刃を使用した削蹄となりました。もちろん、先生から削蹄する部位を指示していただきながらの作業でしたが、各自、思い通りにうまくいかない現実を改めて知りました。鎌がうまく研げていないため蹄が削れなかったり、馬を保定できる体力が不足していたり、蹄の名称を覚えていないため、先生の指示が理解できなかったりと、さんざんでした。このように、多くも問題を抱えている私たちですが、一つずつそれを克服して、装蹄師としてスタートできるように頑張っていきます。

 総研から、八汐寮に戻ってからは、さっそく、馬の蹄の名称を再確認するため、各自、ノートに蹄の模式図を描いて勉強に励みました。

蹄の名称.jpg





























4月も下旬になると北関東の宇都宮も、日に日に暖かくなり、私たちも、装蹄教育センターでの講習を中心とした生活にも慣れてきました。実習では、鉄床の上で、鉄桿(鉄の棒)が水平になるように火鉗でしっかり掴み、手鎚でそれをまっすぐに叩いて、鉄桿を徐々に伸ばしていく「鉄桿鍛練」という基礎的な練習をメインに行っています。約1ヶ月、この鉄桿鍛錬を行ってきたので、その成果と新たな段階にステップアップできることを確認するため、ゴールデンウィーク前の4月29日に、「鉄桿鍛練プチ競技会」が開催されました。

競技は2種目行いました。第1種目目は、使用された古い蹄鉄を8㎜角の棒になるように伸ばす競技です。制限時間は90分。「伸ばした長さ」と「きれいな角棒状」などの項目が審査のポイントです。つまり、正確性とスピードが重要ということになりますね。1ヶ月実習を重ねてきましたが、やはり思うように伸びきらず....。優勝は、M.I(23)さんでした!!

2種目目は、50分の制限時間で第1競技で作製した角棒で、裏堀り(馬の蹄に詰まったゴミなどを取り除くための道具)を作る競技です。これは、使いやすさはもちろんですが、デザイン性や完成度なども審査のポイントになり、講習生同士の投票で勝者が決まります。結果は、A.I(29)さんのすばらしい作品(写真)が優勝となりました。ただ、他のみんなもデザインと使い勝手の良い裏掘りを作っており、私もデザインと使いやすさを兼ねた裏掘りを作れるように工夫をしてみようと思いました。

A.Iくんの製品.jpg





























そして、このプチ競技会のそれぞれの種目の優勝者には、竹田先生からオリジナルのストラップの賞品もプレゼントされました!!(うらやましい!!私もほしかったな。)

オリジナルストラップ





























今回、私は、どちらも優勝できませんでした。しかし、今後も定期的にプチ競技会を開催するそうなので、次回は優勝して賞品をもらえるように頑張りたいと思います。そのため、今は、造鉄の基本となる鉄桿鍛錬をじっくりと練習し、火鉗と手鎚を正確にコントロールして、綺麗に鉄桿が伸ばせるようにかんばります!