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◆全国装蹄競技大会

年に一度、その年の装蹄技術の日本一を決める「全国装蹄競技大会」が10月17日18日の2日間にわたって、ここ宇都宮の装蹄教育センターで開催されました。

選手の造鉄風景.JPGのサムネイル画像

69回目となる今回は、各地の予選競技会を勝ち抜いた32名の装蹄師が選手として出場し、日頃から鍛え上げた技と知識を発揮するべく競い合いました。私達講習生は、この大会の開催の会場設営や当日の装蹄馬の引き馬など競技補助として参加し、競技を行っている姿を間近で見ることができました。選手の皆さんは、競技以外では和気あいあいとお互いに楽しそうに話していましたが、競技が始まると一瞬で集中し、周囲のお客さんからの視線にも何ら動じることなく作業を行っていました。

初日のお昼には、決勝である装蹄競技に出場する選手が発表される時間を利用して、私達講習生も15分間で05タイプ蹄鉄1個の造鉄を披露させていただきました。多くの皆様の前で作業するのは初めてなのでとても緊張しましたが、皆精一杯頑張りました。今回の経験で、多くの人の前でも高いクオリティーで競技をする選手の方々の凄さを改めて体感し、将来は自分もこの舞台に立って日本一を目指したいと思いました。

講習生造鉄!!.JPG

◆海外装蹄師のクリニック

例年、全国装蹄競技大会の開催に合わせて、欧米の装蹄競技大会で上位に入賞しているトップクラスの装蹄師を招き、海外の装蹄や造鉄の実演や実技指導(クリニック)が行われています。今回招聘されたジャスティン・フライ装蹄師は米国のミネソタ州出身で、全国装蹄競技大会では、両日ともに特殊蹄鉄の造鉄を実演していただきました。その翌日には、すでに現場で働いている装蹄師を対象に装蹄と特殊蹄鉄の実演と実技指導も行いました。その後の2日間は、私達講習生に、欧米の標準蹄鉄であるジャーニーマン蹄鉄の造鉄法について実技指導をしていただきました。もちろん、これだけでなく、講習生各自の技術を見て、火鉗の持ち方や手鎚の振り方、造鉄工具の修理方法についても教えていただきました。そして、教えていただいた欧米式標準蹄鉄を課題として、2回ほどプチ競技会が行われ、その上位入賞者にはフライ装蹄師ハンドメイドの賞品をいただきました。また、フライ装蹄師が滞在した約1週間は、私達が生活している八汐寮に宿泊していたので、造鉄や装蹄技術だけではなく、アメリカの馬文化やワークスタイルの違いなど、とても興味深いお話も聞くことができました。

ジャスティンの指導.JPG

色々とお世話になったお礼を兼ねて、教育センターを出発する前夜には、講習生主催のBBQ Partyを開催し、未熟ながらも英語で自己紹介をしたり、侍の甲冑を着てもらったりと親睦を深めました。

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短い時間でしたが、とても楽しく、大変有意義で貴重な時間を過ごすことができました。また、海外の技術にも目を向けて広い視野で装蹄の仕事をできるようになりたいとも感じた1週間でした。

ありがとうございました。Thank you Justin !!

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7月下旬の北海道研修が終わると約3週間の夏休みになります。普段は、講習会が生活の中心になるので、殆どの時間を宇都宮で過ごすことになりますが、長期間にわたり講習が休みになるので、就職活動をする人、親方の所で働く人、短い夏に悔いを残さずエンジョイする人など、各自、宇都宮離れてそれぞれの夏休みを満喫しました。

夏休みが終わって久しぶりに会う講習生同士は、自然と会話も盛り上がりましたが、私達には夏休みの余韻を楽しんでいる暇はなかったのです....。実は、9月5日に前期に終了した科目についての認定試験が待ちうけていたのでした。

私達が装蹄師の2級認定試験に合格するためには、12科目の学科試験と2科目の実技試験を受けて、それぞれ基準となる合格点に達していなくてはなりません。前期試験では、12科目の学科のうち8月までに終了した5科目の試験が行われ、残りの7科目の学科試験と実技試験は2月中旬の後期試験で行われます。一つひとつの科目が大切となるので、1日の講習が終わり寮に戻るとお互いにノートを見せ合ったり、教え合ったりと試験の傾向と対策は、深夜まで続きました。夏休み中にもっと勉強しとけばよかった...と後悔する中、前期試験の日まで机に向かいました。

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※授業間の休憩も勉強しました!

ついに来た前期試験日!独特な緊張感の中で試験は粛々と進んで行きます。勉強の成果を出すつもりだったのですが、結果は全然思い通りにいきませんでした。中には「意外と出来たぜ!」と言っている人もいたのですが、これは反対に心配になります。終わってしまったことは元には戻らないので、後期試験で取り戻せるように頑張るだけです!

講習会前半の大きな山場だった前期試験も終わり一段落した?ので、講習生全員で「お疲れさん会」を開きました。美味しいものを沢山食べ、カラオケで歌い、前期試験のストレスを発散してみんなで楽しみました。

あっという間に講習期間の半分が終わり、残すところ5か月となってしまいました。就職先も決まり始め、自分自身の将来性が見えてきた中、目的意識を持ちながら残りの講習会期間を過ごそうと思います。まずは、次の大きなイベントである10月の全国装蹄競技大会に向けて気持ちを切り替えて向かっていきます。全国大会では競技運営の手伝いだけでなく講習生による造鉄を皆様に見ていただくことになっています。05タイプ蹄鉄1個を15分で造鉄する予定ですが、今は時間内に終わらせることで精一杯ですが、全国大会までにはすこしでもいい製品になるように練習を積み重ねています。

以前のブログで、4月の後半に行った「プチ競技会」について報告しましたが、あれから約1か月が経った5月末日に第2回目のプチ競技会が開催されました!第1回目の種目は、古い蹄鉄を角棒にする「鉄桿鍛錬」とその角棒を材料とした「裏堀作り」でした。5月に入ってから、私たちの実習は、鉄桿鍛錬から蹄鉄をつくる「造鉄」という段階にステップアップしたので、これに合わせて競技内容も「造鉄」ということになりました。(このBLOGでも「初めての造鉄」についてご紹介できれば良かったのですが・・・残念です。)

ここで、基本的な蹄鉄について少し説明します。皆さんは、蹄鉄と聞くとU字型の形状をイメージすると思いますが、実は前肢用と後肢用で微妙に形が違います!前肢用は全体的に丸い円形をしており、後肢は先端が少しとがったような楕円形をしています。その理由は、前肢は体重負担の割合が大きく、特に、運動中に進行方向を変える際、軸となって体を支えるのに適した円形をしているそうです。また、後肢はエンジン!で、その推進力を逃さないように、蹄の先端が地面に食い込みやすいように、先端がとがった楕円形になっているのとのことです。

完成品.jpg

















さて、第2回目のプチ競技会では、60分間で前肢用蹄鉄1個を完成させるというものです。60分というとかなり長く感じるでしょうが、2人で1基の火炉と鉄床を使って交互に作業するし、私たちのレベルでは、何度も鉄桿を加熱するので、やっとのことで製品を完成させました。

審査は、全国大会などの競技会で使われる採点表を用いて、細かな項目に分けて点数がつけられました。今回のチャンピョンは、YKくんでした!彼は、自分にはセンスがないと、日頃から悩み、この1か月真剣に実習に取り組んでいたので、今回はその成果が出たようです。賞品は、竹田先生オリジナルのシルバーアクセサリーで、今回の課題蹄鉄を同じ形のものです。こんなに小さいんです!穴の一つ一つまで、ミニチュアの道具で作られています。賞品のシルバーアクセサリー.jpg



















修了試験では、45分で前後肢各1個の蹄鉄を造鉄しなくてはいけないので、1日1日・1本1本を大事に造鉄しなくてはいけないなと思いました。

4月も下旬になると北関東の宇都宮も、日に日に暖かくなり、私たちも、装蹄教育センターでの講習を中心とした生活にも慣れてきました。実習では、鉄床の上で、鉄桿(鉄の棒)が水平になるように火鉗でしっかり掴み、手鎚でそれをまっすぐに叩いて、鉄桿を徐々に伸ばしていく「鉄桿鍛練」という基礎的な練習をメインに行っています。約1ヶ月、この鉄桿鍛錬を行ってきたので、その成果と新たな段階にステップアップできることを確認するため、ゴールデンウィーク前の4月29日に、「鉄桿鍛練プチ競技会」が開催されました。

競技は2種目行いました。第1種目目は、使用された古い蹄鉄を8㎜角の棒になるように伸ばす競技です。制限時間は90分。「伸ばした長さ」と「きれいな角棒状」などの項目が審査のポイントです。つまり、正確性とスピードが重要ということになりますね。1ヶ月実習を重ねてきましたが、やはり思うように伸びきらず....。優勝は、M.I(23)さんでした!!

2種目目は、50分の制限時間で第1競技で作製した角棒で、裏堀り(馬の蹄に詰まったゴミなどを取り除くための道具)を作る競技です。これは、使いやすさはもちろんですが、デザイン性や完成度なども審査のポイントになり、講習生同士の投票で勝者が決まります。結果は、A.I(29)さんのすばらしい作品(写真)が優勝となりました。ただ、他のみんなもデザインと使い勝手の良い裏掘りを作っており、私もデザインと使いやすさを兼ねた裏掘りを作れるように工夫をしてみようと思いました。

A.Iくんの製品.jpg





























そして、このプチ競技会のそれぞれの種目の優勝者には、竹田先生からオリジナルのストラップの賞品もプレゼントされました!!(うらやましい!!私もほしかったな。)

オリジナルストラップ





























今回、私は、どちらも優勝できませんでした。しかし、今後も定期的にプチ競技会を開催するそうなので、次回は優勝して賞品をもらえるように頑張りたいと思います。そのため、今は、造鉄の基本となる鉄桿鍛錬をじっくりと練習し、火鉗と手鎚を正確にコントロールして、綺麗に鉄桿が伸ばせるようにかんばります!

海外の装蹄技術を習得

ジョシュ・スタンリーとともに


















米国から来日したジョシュ・スタンリー装蹄師が、全国装蹄競技大会とその翌日にデモンストレーションとプロの装蹄師向けのハンズオンクリニックを行いました。その後、2日間にわたり、私たち講習生だけのハンズオンクリニックも行ってもらいました。内容は、プロの装蹄師の皆さまとは違い、欧米式造鉄の基礎となるジャーニーマンタイプ蹄鉄の作製法を中心に教えていただきました。

自分たちが今まで造鉄していた鉄尾を調整しない05タイプと違い、ジャーニーマンタイプは、そのまま馬に装着できるように鉄尾を丸く処理する必要あります。また、蹄鉄の形状も05タイプと比較すると全体的に丸味を帯びています。そのため、鉄尾が丸くならずに尖ってしまったり、普段造鉄している05タイプの形状イメージが抜けずに長細い蹄鉄形状になってしまったりとなかなか思い通りの蹄鉄を造鉄することができませんでした。また、鉄唇の出し方やハンマーも日本式とは違い、鉄唇の形状も日本の半丸ではなく三角に近いものでした。ジョシュ装蹄師から細かく指導してもらい、なんとか作ることができました。

05タイプジャーニーマンタイプ


















(左:05タイプ・右:ジャーニーマンタイプ)



この2日間いつもとは違う技術や考え方で造鉄実習をすることができました。その中でも特に心に残ったのは、鍛冶の技術で一番重要なことは、鎚の振り方ではなく、火鉗の動かし方・持ち方であることを再認識したということでした。

今後現場にいった際も、現状に満足することなく、海外の装蹄技術など、様々な技術や知識を取り入れて装蹄に活かしていきたいと思いました。

10月19日、晴天の下、第68回全国装蹄競技大会が行われました。私たち講習生は、大会をお手伝いする裏方として参加しました。私は、選手が競技の残り時間を確認するタイマーを管理する仕事を任されました。

全国大会開会式





午前中は、装蹄判断競技と単独造鉄競技が同時進行します。選手は4つのグループに分かれ、順次これら2つの競技に臨みます。

装蹄判断競技では、実馬の歩様や馬体を見て、肢勢・蹄形・歩様・先着部位・疾病を判断し、その結果から多削部位や装蹄方針を決定・記載する競技です。制限時間25分のなかで、たくさんの項目を確認する必要があるので、選手は、見て、触った状況を「瞬時に判断」し、用紙に記載していました。

単独造鉄競技は、規定時間25分で、横径と縦径が指示された標準蹄鉄07タイプ(欧米の標準蹄鉄であるジャーニーマン蹄鉄)の前後肢各1個を作製する競技です。素早く正確な手鎚を動かし、コンパスや定規も使って、できるだけ完成度の高い製品に仕上げるようにしていました。さらに、火炉の使い方もとてもうまく、2個の蹄鉄を同時に造鉄しますが、交互に加熱した鉄桿を火炉から出した時には、適度な焼き具合になっていました。

競技中の選手

私達も、一瞬で装蹄方針がイメージし、それに合わせて、必要な個数の蹄鉄を同時に造鉄できるような装蹄師になりたいと思いました。

午前の部が終了し、午後からの装蹄競技が始まる間、時間をいただき、私達の造鉄を見て頂きました。内容は15分で前肢用05タイプ1固を造鉄するというものです。普段の実習中とは異なり、多くの参観者が見ている前で造鉄するのは初めての経験だったので、緊張で筋肉がこわばり、手鎚が思うように動きません。出来上がった作品もとてもバランスが悪く、酷いものでした。このような緊張感の中で、普段通りに作業できる選手の皆様の技術と精神力に、改めて感動しました。






午後は、午前中の単独造鉄で上位16名が出場する装蹄競技です。自分が担当する肢蹄を観察して、その蹄に合わせて05タイプ蹄鉄2個を20分で造鉄します。蹄鉄審査を受けた後、45分間で担当する同側前・後肢2本の蹄を装蹄します。除鉄、削蹄、修整・適合、銀線、釘付け、仕上げの一連の作業行程で、選手それぞれでペース配分が違い、見ていて勉強になりました。また、選手の皆さんは、さまざまな工夫をしながら、45分間で綺麗に装蹄を仕上がるように工夫をしていました。その妥協のない姿が凄いと思いました。

講習生造鉄













今回の全国大会を見学して、私も2級装蹄師の資格が取得できたら何年後かには全国大会に選手として出場してみたいと思いました。