牛削蹄競技大会における削蹄審査用紙・削蹄判断用紙の改訂について
この度、牛の教本が改訂となり、これに伴い削蹄判断用紙の内容を一新いたしました。
令和6年度の各地方大会および全国牛削蹄競技大会より新しい判断用紙に変更となるため、本記事や解説を読んで、参考にしていただきたいと思います。
また、削蹄審査用紙についても時間基礎点(40点)を廃止し、蹄下面処理の項目を「蹄負面処理」・「土踏まず処理」に分けて、時間基礎点をそれぞれ振り分けることにいたしましたので、審査用紙もご確認ください。
●様式の変更
・採点が容易であり、効率的であるため「蹄角度の適否」や「多削部位」などの図示欄を廃止しマークシート方式とする。
・左右肢および内外蹄を縦に統一して配置し記入しやすくする。
●主な変更点とポイント
✓肢勢
従来の削蹄判断では複合肢勢の場合、どちらの肢勢の主徴が強いかまでは特に問わないこととしていたが、教本および判断用紙の改定に伴い、駐立検査および歩様検査において、主徴している肢勢を優先する。なお、前後望肢勢のうち「内向と狭踏」を兼ねた肢勢および「外向と広踏」を兼ねた肢勢は、どちらの主徴が強いかを歩様で判定できないため、解答欄を同一とした。
駐立検査と歩様検査の結果が合わない場合は原則として歩様で判定する。
✓蹄形
旧判断用紙では蹄形名称が羅列されている中からの選択式であったが、新判断用紙では、「延蹄」「過長蹄・変形蹄」「削蹄の必要ない蹄形」の3つから選んでマークする。なお、「過長蹄・変形蹄」で特徴的な蹄形がみられた場合はその名称を"1つ"記述する。これらは1肢(内外問わず)でマークおよび記述する。
✓挙肢検査からみた内外蹄バランス
旧判断用紙では台形に線を引く形で設問としていたが、新判断用紙からはマーク式とした。なお、この項目は、負面の高さを見るのではなく蹄踵壁の高さを見て判断を行う。
✓疾病損徴
疾病損徴は、削蹄後なくなるようなものでも認められればマークする。ただし不正蹄輪は、処置する必要がある場合のみマークする。外傷および腫脹は、趾部と球節以外は判定しない。
✓削蹄部位
この項目は、削蹄部位を問うことで蹄角度を起こすか臥せるかを判断する設問である。従来は"多削部位"として図示欄に記入していたが、蹄角度を修正するための削蹄処置として明確にするため、削蹄部位と改めマークシートに記入する方式とする。なお、現状維持は削蹄不要を意味する。
✓削蹄処置
鑢削と端蹄廻しを混同しがちなので改めて整理する。鑢削は、蹄壁の不正蹄輪や凹凸湾等に対して形状を修正することである。端蹄廻しは、不同蹄の処置、蹄壁欠損の処置や乳房・乳頭の損傷を防止するために、蹄負縁に対して形を修正したり蹄負縁を整えたりすることをいう。
「巻き込み蹄壁削除」を「軸側蹄壁削除」とした。主にこれは傾蹄や巻き込み蹄壁がみられた際にマークを行う。
その他の牛削蹄関連お知らせ
- 2024.11.15 令和6年度指導級認定牛削蹄師資格者昇級研修会・昇級試験について
- 2024.11.15 第65回全国牛削蹄競技大会の結果について
- 2024.10.16 2級認定牛削蹄師認定講習会・認定試験(岡山県)
- 2024.10.07 2級認定牛削蹄師認定講習会・認定試験(宮城県)について
- 2024.10.03 2級認定牛削蹄師認定講習会・認定試験(鹿児島県)について
- 2024.07.04 2級認定牛削蹄師認定講習会・認定試験(北海道)について